春の大地
湯山英之
青々とした山々に囲まれた奥羽の大地
小さな城跡の木立の向こうに広がる街並み
山際へと流れる旭川を辿りながら
私は遠くへ遠くへと振り返る
私の瞳には貴方以外は映らない
私の胸は貴方にときめいたあの時のまま
木漏れ日に揺れるあの日のまま
貴方と生きて行きたい
この春の風の中で
色鮮やかな桜が立ち並ぶ横手の山で
小さな出会いが確かに私と貴方に
私にとって大切な思い出を辿りながら
私は遠くへ遠くへと振り返る
私の瞳には貴方の夢が輝いて
私の胸は貴方がくれた愛をそのままに
思い出をくれたあの日のまま
貴方に会いに行きたい
この桜舞う春は
貴方が消えてから二年の月日が流れ
私は街を貴方が好きな街を出て行くの
思い出がとても辛過ぎるわ
だけども貴方に会いたい
この小さな城跡で