二月だったね

             湯山英之

 

君が思い出になる頃に

君の面影を見つけたよ

頬が取れるくらい冷たい風の吹く夜に

 

毛糸の帽子をすっぽり被った君は

マフラーに頬を埋めながら

雪うさぎを作ってくれたね

 

思い出が思い出でなくなった君との季節は

寒い二月だったね

 

 

君が思い出になる頃に

君の姿を追いかけたよ

頬が取れるくらい冷たい風の吹く夜に

 

偶然出会った仕事中の君は

真面目な顔をしながら

いつもとは違う感じだったよ

 

思い出が思い出でなくなった君との季節は

寒い二月だったね

 

 

君が思い出になる頃に

君は僕を見つけたよ

頬が取れるくらい冷たい風の吹く夜に

 

黙って僕の手を握って笑った君は

かまくらに僕を座らせながら

甘酒を作ってくれたね

 

思い出が思い出でなくなった君との季節は

寒い二月だったね

 

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