闇夜の中で
湯山英之
吐息も白い真夜中
私は独り公園にたたずむ
研ぎ澄まされた私の聴覚は
自然と、闇を感じる
遠くで走る車の音
獣の鳴き声
揺れる木々の音
落ち葉が土に還る音
月夜に照らされた樹木は
一層私を孤独にする
私は叫ぶ
闇夜に叫ぶ
そして私は走り出す
全力で走る
やがて足は動かなくなる
間もなく出るだろう朝の光は
果たして私を受け入れてくれるのだろうか