中野にて旧友を見送る詩
湯山英之
突然の知らせに私は眠れなくなった
東京の空はねずみ色で冷たい北風の吹く一月
旧友の一言は私に一種の緊張感を持たせた
もう三人で思い出は作れない・・・
私の脳裏には去来する
君と遠足で遊んだこと
君の家に泊まったこと
君が日本酒を好きだといったこと
君の驚く顔
君の個性的な文字
そして君の声
君の夢
何故に君は旅立ちを選んだのか
まだ君が旅をするには早過ぎた
君は大バカ野郎だ
だけど旅立ってしまったのなら仕方が無い
私は君の一番の理解者になろう
だから安心して目的地を目指して欲しい
いつか又三人でバカ話でもしよう
だから私が旅立つその日まで
少し待っていてくれ
いつも約束の時間に遅れる私に待たされるように