ときめき

             湯山英之

 

店を出たらその後は

ふらりフラフラとさまよって

冬の街を歩き疲れる

チェックのマフラーに包まれたら

子猫のように

まるくなって温まろう

 

だけど今でも気にかかるカウンター越しの女の子

決して相手にはしてくれないけれど

君の歌声

あの口元

明日を見たその瞳は

恋と一緒に胸の中

 

 

 

今年初めて雪が降る

ふわりフワフワと散り乱れ

冬の街は白く色づく

辺りを気にして振り返れば

消しゴムのように

足跡だけが消えていく

 

だけど今でも気にかかるカウンター越しの女の子

決して相手にはしてくれないけれど

君の胸元

あの指先

夢を見たその瞳は

君に夢中な胸の中

 

 

 

家に帰って床に就き

どきりドキドキと胸は鳴り

君の顔を思い出した

素敵な笑顔を投げかけられ

乙女のように

小さくなってときめいた

 

だから今でも気にかかるカウンター越しの女の子

決して僕だけを見つめてないけれど

君の全てに

もう夢中で

やさしく輝く瞳は

恋と一緒に夢の中

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